特集

【第18回公演】インタビュー02
斉野平大智(高3)

斉野平大智
鹿屋中央高校3年

☆まるで本当の奄美の王! 後輩への思い強く、常に上を目指す、だいち!
ヒメヒコ歴:2年目
趣味・特技:(聞きそびれたけど多分)お菓子作り・書道・合気道・アニメ&ゲームオタク
幸せな時:(聞きそびれたけど多分)演技が上手く行った時・アニメ見てる時・食べてる時

― よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

― いろいろとお疲れ様です。昨日、国分のダンス部が来てたよね。どうでしたか?

いや~、だいぶ良かったですね。ダンス部って本当にすごいじゃないですか。それこそキャストのみんな、それに影響を受けて、意識がちょっと高くなっていくんじゃないかなって思うんですね。僕自身もダンス部と合同練習していて、うわ、こんな人たちとやるのかーって思ったので

― そうだよね。全国レベルだからね。

全国レベル、本当に一緒に出させてもらってありがたいです。

― 本当にダンス部、協力、共演っていうか、ヒメヒコがメインなんだけど、バックアップしてくれて、本当にありがたいです。

ありがたいです。
(そしてしばらくダンス部のメンバーのことを話しました)

― ダンス部は本当にピシッとしてるでしょ。挨拶からなんか、意識の高さってすごいもんね。

そこらへんの部活と比べても違いますね。

― そうそう、そうなんだよね~。でもヒメヒコと合わせることができて良かったね。今回は向こう(国分中央高校)に(ダンス部との合同練習)に行けなかったみたいだから、1回しか合わせてない?

ピンチですね。だいぶ。

― あと2週間。

不安になってきましたね。

― あ、ごめんごめん。

(笑)

― まだ大丈夫だよ。まだ大丈夫って言っとこう。残り2週間、毎日あるし。

毎日あるし。

― 大丈夫。

大丈夫かな。

― 大丈夫です。ヒメヒコなら大丈夫でしょ。

― だってさ、去年もそうだけど、(だいち君も)短い時間の中でヒコができたんだから。あれはすごいよ。その短い期間の中で、役作りとかいろいろ覚えて、あそこまでできるっていうのは。しかも、(2日目は)奄美の王もやったわけでしょ。二役覚えるっていうのは、すごいことだよね。

でも今年のヒコの方が大変ですね。今年のヒコは3、4ヵ月、きらとは4ヶ月くらいかな、かずとしに関しては3ヶ月あるかないかぐらいなので、それで初めてやって、セリフも覚えて。しかも、去年(自分がやった)奄美の王様って、最悪覚えなくてもいい踊りの部分とかあったんですよ。あったんですけど、彼らアンサンブルなんで、フルで覚えないといけないんですよ。踊りも。

― なるほどね。

だから、本当に彼らの方が大変なんですよね。ま、結構今も舞台に立てば、普通に高校生の舞台としては完成するんですけど、お客さんを感動させる、それこそ12年前のあんなすごい舞台にはまだならないんですよね、今の時点では。まだ高校生止まり。

― あ~、なるほどね~。昔のは見てみた?

昔のやつ見てみましたね。

― 誰の時の?

ヒコが大門さん。

― あ~、大門くんがすごかったのよ~。

すごいですねぇ。

― ほんと、すごいのよ。

見た時に、あれ、これって本当に高校生?って。

― でしょ。あれが(私が初めて見た)最初だったの。

そうなんですか。

― あれが6回目だったと思うけど、私こっちに来て初めて、ヒメヒコってどんなんだろう? まぁ、高校生だし、と思って見に行ったら、あの公演だったわけ。もう衝撃どころじゃなくて、本当に高校生?高校生?って。えぇー?と思って、最後まで信じられなかった。高校生のみんなが、あんなすごい舞台をするって、ね~。

あれ見ちゃうと、その後のヒメヒコが、ちょっと・・・ちょっと・・・ちょっとってなるじゃないですか。

― でも、私は(毎回)泣いてたからね。もう感動して、毎年毎年泣いてたけど、どの子たちもすごくて・・・。それこそ今年(だいち君が)やるでしょ。奄美の王、するでしょ。これまでの奄美の王も、結構印象に残っていて、あ、その時、奄美の王って誰だった?

名前は分かんないですね。

― (その時かな)しょうこちゃんっていう子がいて、本当にその子も高校生で、今だったら女の子だったからノロ様だよね。その時は奄美の王だったから、あの貫禄のある奄美の王を、女の子がこんな風にできるなんてすごいと思って、インパクトがあって。その後男の子が奄美の王やったんだけど、その子も本当に王様みたいな。高校生に見えない、落ち着きのある王様ですごかった。それから最近だと、ちょうど3年前かな。いのりちゃんって女の子がノロ様だったんだけど、本当に神様が入っちゃってて・・・うふふ。

おぉ~。

― ぐらいすごかったの。

なるほど。

― 奄美の王様って・・・すごいよ!だいち君~。

うあっははは。

― (笑)すごい役なんだよ。プレッシャー与えてはいけないかもしれないけど。でも、だいち君だからこそ、だと思うんだけどね。なんていうのかな、言葉に言えないぐらい存在感がすごくある役・・・。

― どうですか。その役になって。

奄美の王は、自分的に、奄美の王とノロ様って違うイメージがあるんですよ。それこそノロ様っていうのは、本当に巫女みたいな感じなんですよ。ヒメが成長したらノロになる。奄美の王っていうのはまた別で、巫女というよりも、島の王、王として治める人みたいなイメージがあるので、演じてみて、ノロ様と違った王としての威厳っていうのを保ちつつ、最後のヒメが死んじゃうシーンとか、ヒメを倭に送るシーンとか、そういうシーンでは王というよりもヒメのお父さんとしての演技を、やってて感じました。

― まさにそうだと思う! ノロ様という役ができる前、ずっと奄美の王だったんだけど、ヒメが亡くなった後、ヒコが後悔して懺悔(ざんげ)するところ、そこで王様って一番存在感がすごく強かった。目の前に原因となったヒコがいて、その者を前にして、いかに娘の死と向き合わないといけないかっていうシーンっていうのは、本当に胸を打つっていうかね。お父さんのその気持ちを考えると、だからあそこのシーンってすごくインパクトあると思う。だから本当にだいち君も分かってるけど、お父さんの気持ちのところだよね。

お母さんを戦で失ったっていうセリフもあるんですけど、妻を戦で失くして妻が残してくれた二人の子どもじゃないですか。ヒメとマナっていう。絶対に、妻を失ったらこの二人だけは大事に育てようってきっと思ってるはずなんですよ。

― 守らないとって。

守らないと。なのに、その一人の長女であるヒメを失うわけじゃないですか。いったい、どんな気持ちかっていう。

― そうだよね。

マナを不安にさせないように、「ヒメは心の中でずっと生きておる。もう泣くことはない」って言うんですけど、ヒメの死に対して一番傷ついてるのは奄美王だと思うんですよ。

― そうだよね。

誰よりも。

― 自分のことを責めてるかもしれないよね。

ですね。ヒコ様よりも。

― そうそうヒコ様よりもね。本当にだいち君はよく理解してるんだなって、この前一番最初に見た時に、練習のときね、王様入ってるって思った。

いやぁ、やっぱり稽古っていうのが抜けないので、感情移入っていうのが、まだもっとできるんですけど・・・もっとできるんですけど。やっぱり稽古っていうのが抜けないので。多分、本番になったら、もっといいものになると思いますね。キャスト全員ですね。

― 公演になったら、いろんな舞台装置とか全部整って、その中でするしね。気持ちもまた違ってくるね。

本番って、本当になんかもう、アドレナリンが回ってきますね。またその役に集中できてるんで、感情というか、すごいセリフが自然にポポポポって出てくるんですよ。ゾーンに入ったみたいな感じ。

― おぉ~、すごい!それ去年経験したんだね~。

ですね。カズヒコの役をしてて思いましたね。特にヒコをやってる時、本当に俺、今、ヒコ様になってるんだって。

― そういうセリフもあったしね!

ですね。まさにその通りの。

― それ考えると、3つの役だったね。で、この前のインタビューの時は、(入ってから)短い期間だったし、(役の)切り替えが難しいとかって言ってたけど、本番の時は切り替えてできた?

そうですね。去年の切り替えるっていう面では、意識してるところがあって、カズヒコの時は、できる限り肩を前に出して、手を自分の体の前にくるように、こういう風にしてちょっとおどおどしてたんですよ。ですけど、ヒコになったら、腰の部分に手を置いて、胸を張って歩くっていう。そこを意識してたんで、本当に俺は大隅のヒコなんだっていう、あのシーンから、パッて立ち方とか自体が変わったりして。

― 立ち姿がね~。なるほど~。ちょっと余談になるけど、「かのやファン俱楽部」の去年の17回目のヒメヒコ特集見てみた?

これですか?

― そこにヒメヒコの特集を組んで、インタビュー載せてたりとか、レポートを書いてる記事があって、その時、写真をたくさん載せるんだけど、公演の舞台の写真は小竹さんっていう写真の上手な人が撮るんだけど、前後(のスナップ写真等)は私が撮ってて、舞台裏のだいち君載せてるから、見てみたらいいけど、「僕はヒコです!」みたいないい写真があるよ。

お~、なるほど。後でちょっと見てみます!

― だいち君もすごいね。細かくいろんなことを考えて、役作りすごいよね。

役作り・・・まぁ正直な感想を言うと、普通、そこまでするんじゃないかなっていう。僕的には、まだ去年の奄美王は消化しきれてないので。

― え~、そうなの?

できる限りのことをしたって表で言ってますけど、正直、もっと詰めれたんですよ。

― あ~、そうなんだ。じゃぁ、今年の挑み方は、どんな感じで?

今年は、ここも正直に言うんですけど、奄美王としての役っていうのは、もっと感情を入れていこうって思ってて、立ち姿とかそういうことに関しては、結構今まだ模索中。そうですね・・・奄美王という役に関しては、立ち方と感情を入れるというか、そこですね。ま、その奄美王という役以上に、僕は今のヒコのサポートをしたいって考えてるので。

― あ~、なるほどね。

(ヒコ二人は)去年よりも期間が僕よりも短いので、本当に覚えることもいっぱいです。なので、もっとヒコのサポートをメインでやろうって考えてて。いい舞台にするには、それぞれが一定のレベルまでいかないといけないので。現状に満足はしてないんですけど、それ以上にヒコのレベルを上げないと。

― さすが、全体をちゃんと見てるね。だいち君すごい! でも、本当にお客さんに見せる舞台っていう意味では、一人の人が優れていてもだめで、みんなが同じ底上げしてレベルをアップして、そのレベルアップした状態で創っていかないとね。

自分が目立ちたいって思っている人には、あんまり合わないんじゃないかな。みんなで完成させるものなので。やりたかったけど、できてない人とかもいるんで。どんな役をもらっても、できることをやろうという。

― 今年、役をもらった時、そういう感じだったの?

まぁ、そんな感じでしたね。正直、ヒコか使者かなって思ってたんですけど、役名で「ノロ」じゃなくて「奄美王」って書いてあった瞬間、もしかしてって思って、右見たら、斉野平大智って・・・わぁー、奄美王だぁーって。

― (笑)

(キャスト発表前)稽古中に倉庫に行って、奄美王の杖があるじゃないですか。あの杖を持って、とうやに言ったんですよ。「俺はこの杖をもう一生持つことはないんだろうな。」そしたら、まさかの奄美王っていう。

― (笑)

今年もたくさん持ってますよ。ずっと持ってますよ。

― (笑) 自分が思ってたのと違ったっていうギャップは、だけどすぐに埋められた感じ?

まぁ、僕は役をもらわなくてもサポートに回ろうとか、そういう風に考えてたので。

― え~、すご~い。

奄美王って、台詞(セリフ)がすごい多いんですよ。だから最初は、「台詞多いなぁ・・・。これだったら別の役でも良かった気がするなぁ・・・」とか思ったりしたんですけど、やっぱりもらえてない人とかもいるんで、もらったからには、ここまでやればいいだろう、の一個上を、さらに上を、できる限りのことを。・・・普通は誰もが思うと思うんですけどね。

― どうかな~。人によって感じ方とか言い方が違うから分らないけど、自分の中でね、一つ上の達成できるところまでやろうっていうのは、すごいことだと思うよ。

だといいんですけどね、

― だいち君、いろんなことを考えて、全体をちゃんと見てるから偉いなって思う。3年生(という先輩)でね。今年最後になるし、後輩のことを見守ってるんだなって、すごく温かい気持ちを持ちながらやってるなっていうのは、すごく伝わりますね。

本当に今年は短い中、本当にそこが・・・短い期間の上にヒコがダブルキャストっていう。稽古が3ヶ月できるところが、その半分じゃないですか。ダブルキャストだと。そうなんで、やっぱりサポートしないと。・・・2週間前の今になって、衣装のことについてとか、衣装稽古始めたので、本当にここはもう、3年生が悪かったですね。

― なんで?

もっと早く準備できたんですよ。なんですけど、リナシティでの練習もあったのもあって、この期間が終わったら衣装稽古始めようかっていう風に、区切りがいいと言ってたんですけど、本当にできる限り早めにしておけば良かったなって思いますね。昨日も稽古中に、太郎さんに衣装の早着替えについて、ヒコ二人が少し注意されたので、そこはちょっと申し訳ないなっていう。3年生の僕が言っておけば、絶対ああならなかったんで。

― 環境も状況も変わってるからね、今年はね。だいち君もいっぱい抱えてるから、本当によく頑張ってるなって思います。

僕よりもヒコ二人の方が頑張ってるんで。

― それを包んでる、だいち君、二人を包んでる、だいち君なんだよ。

いやいや、いやいや。場をなごましてるだけなんで。

― いやいや、いやいや、ちゃんと見てね、いろいろしてくれてるから、本当に先輩として感謝してると思うしね。彼らもね。

だったら、いいですけど。

― だと思うよ。よく教えてもらえて。一生懸命やってるって伝わるし。自分たちのためにね、先輩が考えてやってくれてるって伝わると思うから、そこはもうね、あああって思わないで大丈夫だと思うけどね。まあ、その時になったら、それこそ本番舞台になったら、アドレナリンがいつもの3倍も5倍も(もっとか)出てくるから。

二人も本番になれば、今以上に絶対いいものにはできると思う。どうしても緊張しちゃって、思ったより演技ができないとか、最初はあると思うんですけど、後半になるにつれてアドレナリンが出て、まあ吹っ切れると思うんで。今のうちにできる限り、もっと基礎的なところを。

― そっかそっか。いろいろと、だいち君も苦労するねぇ。

いえいえ、一番今年のヒコが頑張ってると思ってるんで。

― そのだいち君の頑張りが、やっぱり成果として表れて、いい舞台ができるんじゃない?

そうですね。だといいんですけど(笑)

― 絶対そうなります。絶対、今年の舞台、良かった~!って、お客さんが。

この前の文化祭のイベントで、僕がMCを任されて、最後に「18年のヒメヒコの歴史の中で、一番いいものにしますので、いや、なるので!」って意気込んじゃったんで、まあ。

― うふふ。聞いてたよぉ~。おぉ~っと思って。

そしたらニライさんもいて、今までヒコしてきた先輩たちがいて、ああ、やばいやばいやばい、ニライさんも聞いてたんで、やばいやばいやばいやばい・・・

― いや~。もうそれくらいの意気込みでないとね。本当、絶対最高のものをね、今年もね、見せられたらいいよね。

ですね!

― きっとできると思いますよ。

今年のヒコの二人に期待してるんで。

― 王様もね!

ん? ああ。まままままま(笑)

― 王様はもう貫禄と・・・ん?でもなんか今やってること自体が、なんか本当に王様みたいだね? 民を見守りながら、サポートしながら・・・。

そうですね。

― 本当そうだと思う。案外そういうのって、王様の演技とかじゃなくて、日頃からのそういう気持ちとか心持ちとか接し方とか、物の考え方とか、そういうのが、その役柄にやっぱり表れてくるかもしれないね。

まあ確かにですね。その人の性格とかで、やりやすい役とかもあったりしますしね。それこそカズヒコっていう役は結構、僕にはやりやすかった役なんで。まぁだから、今年の昭彦先生は、特に煌大(きらと)とか、結構性格的にふざけてるし、昭彦先生は結構上手くできてるんですよ。おちゃらけ感の昭彦先生って感じがするんですけど、どうしてもヒコが。・・・なんなのかなぁ。

― なるほどね。威厳かな。ヒコも王様だからね。

そうなんですよね。

― なんか若いけど、やっぱり王様だから、王としての、なんかね~、雰囲気っていうのが出るといいんだけどね。堂々としてるっていう感じかな、威張ってもいいんじゃないのかな。

もっと堂々としていいんですかね。まあ、なんかどうしても、歩き方とか立ち振る舞い、しゃべり方っていうのに、やっぱり素が出ちゃう。常に演技しないといけないんですけど、やっぱり油断しちゃうんですよね。例えばなんかセリフを覚えてなかったりすると、次のセリフなんだっけって考えちゃって、そこで演技ができなくなっちゃう。

― そういうところは、やっぱり練習の期間が短いからで、だいち君が心配してるところなんだよね。

本当は、毎年ある冬合宿。あそこで一気にレベルが上がるんですよ。

― そうだよね~。ホントその通り。

夜も10時とか、そこぐらいまで練習できるんで、朝起きてすぐも、結構演技練習ができるんで、本当にあそこが大事なんですよ。あそこでみんなの中の意識が強まって、ヒメヒコっていう、そのグループがあそこで完成するようなものなんですよね。それがないっていうのが、個人的に痛いですね。

― 今回、冬合宿、ないからね~。

その分、結構休日とか平日とかも、夏休み期間中とみんなで会ったりして、セリフの読み合わせとかしたり、踊りの確認したり、それこそ遊びにも行ったりして、男子と行ったりとかしたんで。

― だから、仲の良さっていう意味では、団結してるかもしれないよね。

そうですね。今までのヒメヒコ、去年結構ゆるかったんですよね。本番近くなって引き締まった感じがしたんですけど、もっと前とかめちゃくちゃ厳しいらしくて、話を聞くたびに、去年とかその前の話を聞いた上で、今年ってもう、ゆるゆるなんですよ。ゆるゆる。なんで、また違う形で、また今までとは違う雰囲気のヒメヒコでの舞台にもなるんじゃないかなって。去年の、今年の1月頃とかですけど、いろいろとあって、結構ピリピリしてたんで。

― だいたい毎年そうだよ。1月は。

なんて言うんでしょうね。今年短い期間っていうのもあって、本番が近づいてるっていうのは理解してるんですけど、まだ大丈夫だろうっていう、気の抜けとかがあるからなのかな。でも、多分、今週からはさすがにちょっと変わってくると思うんですよ。結構、昨日こっぴどく太郎さんに、ヒコ二人が叱られてたんで。

― あ~、そうなんだ。だから私がちょっと昨日のことで思ったのは、ダンス部って厳しさっていうのが、すごくあるでしょ。ヒメヒコのみんなも、彼らを見て、自分に対する気持ちの厳しさ、そんなことをちょっと感じたかなって。気持ちの厳しさって、悩ましいところだけどね。

二年生とかは、もうちょっと厳しくしてくれないかなとか思ってるんじゃないですか。やっぱり。でもこの2週間で、どれだけ詰められるか。

― 頑張ってね。

頑張ります。もう気持ち的には、お客さんに、今年のヒメヒコ良かったね~っていう感想よりも、今年のヒメヒコは、奄美王すごかったね~とか、気持ち的にはそういう気持ちなんですけど、やっぱり主要キャラであるヒコにも目立ってほしいので、ヒコを食べるわけにはいかないので、役として。

― でも、私の個人的な意見だけど、いいんじゃないかなぁ。

いいかなぁ。

― 私は全然いいと思うよ。

個人的には、はっちゃけようと思ってるのは、現代でのシーンだと僕アンサンブルなんで、現代でのシーン、踊りとかまあ、今年はちょっと多くないですけど、ラップとかもあるんで、そういうところとか、あと奄美王としては「祝い付け」なんですけど、去年もなんですけど、祝い付けで結構はっちゃける。そういう部分で目立とうかなとは思ってるんですけど。

― あれ(祝い付けのダンス)すごいいいよね! 

でもどうせだったら、演技でヒコを食べようかな。と。

― それもすごくいいと思うよ。祝い付けのギャップはいつもすごく面白くて、これまでだったら、おばあさん(ノロ)が(激しいダンスを)踊ってるよ!とかもすごく楽しいし、でもやっぱり最後の、さっき最初に話した(後悔する)ヒコに声をかけるシーンとか、やっぱりヒコよりも上というかね。

最後のシーンで、今まで「大隅のヒコ殿」、「大隅を治めるヒコ殿」っていうのは、ヒコ殿を自分と対等である王として見てるんですけど、ヒメの最後のシーン、ヒメの「風になって」のシーン、「大隅のヒコ」ではなく、「大隅の王子」っていう風に言ってるんですよ。だからそのセリフで未熟さ、王ではなくまだ王子っていう未熟さを、奄美王がその台詞で、やっぱり表してるんだなっていう。

― そうだよね。だいち君が多分、気を遣ってるところが、やっぱりそれって雰囲気とかセリフの言い方とかオーラに出ちゃうと思うから、そこはもう全然前に出て、ヒコをいさめるぐらい王様をどんどん出していった方がいいと私は思うけど。気にせず、私は王様なんだって、本当に物事を分かっている王様なんだっていう。それに、どっちかって言うと、ヒコは若さで行くわけじゃん。ヒコは王様でありながらも、逆にその若さが出るっていうかね、だいち君のその王様が貫禄があって、ひれ伏すぐらい恐れ多いってなるぐらいになった方が、ヒコの若さ、未熟さとか、そんなのが引き立つのかもしれないよね。(あくまでも私見です)

ですね。まあ、できる限り堂々と・・・。どうしても演技の中で、迷うところっていうのは、奄美王っていうのは王様なんですけど、すごい物腰の柔らかい王様なんで、そこの王としての威厳さと優しさっていうのを両方保たないといけない。で、途中で王様ではなくて、ただの優しいおじいちゃんになっちゃう時があるんですよ。そうはならないようにしたいんですよ。

― 出ちゃってもいいけど、出る場面がね~。子どもとか民に語りかける時は、優しいおじいちゃんはいいんだけど、民を守りたいというシーンでは、もっと威厳があって強くて、誰も近づけさせないみたいな。顔は笑ってるんだけど、体張ってやってますみたいな、ね。難しいけど、すごい役なんで、本当にだいち君にしかできない役じゃないかな。

同じようなことを太郎さんにも言われて、奄美王はだいちにしかできないって言われてるので、そこは自信を持ってやろうとは思ってますね。せっかく太郎さんに、ああ言ってもらったんで。

― うん、うん、そうだよ~。すごく重要な役だし、見どころのある役だからね。歴代の中でもインパクトに残る人たちっていうのがいるわけで、そういう王になれるよう頑張ってっていうか、ふふふ。まぁ、降りてきてるから。大丈夫ですよ。

いやいや、いやいや。

― だいち君くんが思ってる、ここよりもっと一歩上っていう、ここまでは降りてきてるから。ふふふ。

まだね、まだ台詞が途中抜けちゃうところがあったりして、一番最初にヒコ様を紹介して、「周りの国々と友好を築いていくことが、未来にわたる平和につながっていく」っていうセリフなんですけど、ここ結構間違えちゃうんですよね。

― そっか~。あとは集中して練習あるのみだね。さて、もう少し話を聞きたいところですが、お稽古が始まってしまったので、またその後の話を今度ゆっくり聞かせてくださいね。ありがとうございました!

ありがとうございました!

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