特集

【第16回公演】インタビュー01 大松泰雅(高3)

大松 泰雅(ニックネーム:たいが)
開陽高校3年

☆不登校だったけど、ヒメヒコで変われたヒコ役、たいが!
ヒメヒコ歴:2年目
趣味・特技:今は幾何学模様を描くこと
幸せな時:彼女にほめられる時

― では「たいが」君からお話を聞きたいと思います。よろしくお願いしま~す!

お願いします。

― もう3年生ですね~。昨年もいろいろ話してくれたけど、趣味・特技とか今年は何か違ったことがありますか?

今は、幾何学的な絵を描くことです。

― へ~!?幾何学的な絵って、なにで書くの? パソコンとかではなくて?

いえ、普通に紙に。

― それって道具は?

僕はペンで描いてます。画用紙とかに。

― へぇ~。それはまたなんで?

分かんないんですけど。なんか、適当にペンを走らせるんです。で、たまたま出来ちゃって、あっ、いいな、って思って、それで描き始めたら、いいな、って。

― そうなんだ。幾何学的な絵では、同じ形の連なりとかあったりする?

ありますね。・・・半分にして鏡みたいなだったり。

― へぇ~、そうなんだ。もともと「描く」ことは好きなの?

好きというか、何も考えずに描いているというか。普通に「絵描いて」って言われて描くと、めちゃくちゃ下手なんですよ(笑)でも、自分で何も考えずに描くとできたり。

― 思い浮かんだままに描くんだね。手の動くままにね。描いた後に、後から意味付けしたりとかはするの?

いえ、ただ思うままに書いて自己満というか(笑)

― 描くのにどれぐらいかかるの?

早くて1時間ぐらい。この前でかいのに描いたときは、2日くらい。

― 途中で間違えるというか、思ったのと違うのになった時はどうするの?

間違えてやばっ!と思うじゃないですか。そしたら、逆の方も同じようにして。

― なるほど~!ペンだから消せないからね。ペンはカラー使うの?

カラフルですね。

― へ~、幾何学模様でカラーだったら、きれいだろうね~♪今度見せて下さいね! そういう絵は、最近初めて描くようになったんだっけ?

幾何学的なものは。でも前から人と違うことをする、って感じで、めっちゃ漢字を小さく書くとかやってたことがありますね(笑)

― へ~(笑)なんか面白いこと思いつくんだね!

いきなり書きたくなる時がある(笑)

― (笑)

漢字はすごく好きで、書くのも好きで、・・・あ、戦国武将もページにいっぱい書いてました(笑)

― 戦国武将の名前? 話は変わるけど、「甲冑(かっちゅう)展」あったよ!(リナで)行った?

まだ行ってないです。

― え~、もう終わっちゃったよ。行けたら良かったね~(と、関ケ原の戦いの武将たちの甲冑展の詳細を、取材写真を見せながら話し出す。←インタビューはどこへやら)
・・・ところで、戦国武将の漢字を書いたのはどうして?

戦国武将が好きだったんですよ。

― そうなんだ~。それは甲冑展、見てほしかったな~(と、またまた後悔させてどうする)
またあると思うので、その時は行けるといいね!で、話は戻るけど、幾何学模様とか漢字とか、何かそういう「形」的なものが好きなのかもしれないね。またそういうの、見せて下さいね♪

― では次の質問、自分をどう思いますか、ということですが、自分は何か変わったなぁとかありますか?

変わりましたね。

― おっ、どんな風に変わりましたか?

負けず嫌いが強くなってきちゃって、前よりも。去年の舞台で悔しくなっちゃって。

― え、そうなの? 本番の時?

途中もそうだったけど、後から1日目の時、泣いちゃって。悔しくて。

― え~、ホント? 何が悔しかったの?

丈さん(第15回のインタビューをご覧下さい)見てて。わ~、すげーって思って。裏も見てるから余計、先輩すげーって思って。そこで、前よりもヒコがしたいな~って思うようになって。丈さんを超えたいって。

― すごいですね~。今年お稽古が始まった時、最初から言ってたもんね。「ヒコやります!」って。

あ~(笑)

― そして今年はそのヒコ役をGETしました。良かったね!

緊張はしますけど。

― 緊張するんだ。どういうところが緊張するのかなぁ。

前の人よりうまくやらなきゃっていうのと。

― プレッシャーね。

あと、お父さんが中学校の頃の先生に(ヒコ役で出演することを)言ったら、「見に来ます!」って。おぉっ!って。

― それは嬉しいね~。

あと、こはくさんが、「ヒコになれよ~」とか、丈さんにも卒業の時に手紙をもらって。

― プレッシャーもあり、期待もされて。

卒業してからも何度か電話させてもらって、丈一郎さんと創太さん(第14回インタビューをご覧下さい)とか、分かんないことがあったら歴代ヒコがいるから相談してって言われて。

― その先輩ヒコ達を上回るヒコを演じないといけないわけだね~。
去年、丈くんがヒコしてたのをそばで見てたから、もうセリフとか入ってるんじゃない?

姉(ほのかちゃん:第13回インタビューをご覧下さい)がやっていたころから舞台は見てるので、セリフとか場面とかは覚えてるんですけど、舞台に立つとやっぱり緊張して、セリフが飛んだりとか歌詞が飛んだりとかして、で勝手に裏で「くそぉっ!」って(笑)

― (笑)その悔しい気持ちが大事だよね。メンタルの面でも変わって来たんじゃないかな?

前より、ポジティブに考えるようになってきました。

― それはいいね~。

前は、今から追い付くのは無理かなって思ってたのが、今は何か全然負けてない、いけるいけるって感じになって来てますね~。

― お~、すごいすごい。太郎さんが求めるものっていうのが、結構こんな高い所で、でも、その子たちにできると思うからこそ、言うし、厳しいこともおっしゃると思うんだけど、引っ張って高みに上げていってくれるみたいな、特に合宿のあたりでね。グーっと上にね。

今は、「歌」が、音が合ってないです・・・。

― え~、そうなの? 歌は得意ではなかったの?

歌は、得意ではないです。

― でも昨年の倭(ヤマト)の使者役、しっかり歌えてたじゃない?

ありがとうございます。ヒコは、使者では出さない高い音域があったり・・・。

― あ~、音域が広がるんだね。キャラも違うしね。ヒコは、たいが君としてキャラ的にはやりやすいですか?

やりやすいって言えば、やりやすいですね。

― お姉ちゃんの頃のヒコ役で、右京君(第12回インタビューをご覧下さい)がヒコをやってたけど、本人は全然自分のキャラじゃないって言って悩んでたんだよね。たいが君はたいが君のヒコをすればいいんだけどね。

僕は前のヒコを、見ないようにしてるんですよ。

― そうなんだ。たいが君のヒコ像っていうのは、何かあるんですか?

ん~、やっぱり優しいですよね。優しいし・・・考えすぎなところがあるかな、みたいな。

― なるほどね~。

ヒコもやっぱり一人で考えるタイプかなぁって。民が待っているからとか、みんなの前では堂々としてるけど、やっぱり裏では悩んだりしているんだな、って。

― 自分で責任とか背負っちゃう感じかな。

うん、そんな感じ。

― そこら辺の表現をたいが君なりに作っていくんだよね。自分にできるかな、って思ったりはしない?

思わないようにしています!

― さすが、そんなところもポジティブでメンタル強くなってるね!

結局は挑戦しないと成功もしないしな、と。

― くじ引かない人は、ぜったい当たらないのと一緒だよね。チャレンジしてみないと分からないことがいっぱいあるし。

― では、次の質問ですが、幸せな時はどんな時ですか?

幸せな時はですね・・・彼女がいまして・・・

― え~~!そうなの!? それは幸せだね~。

・・・ほめてくれるんですよ。他の人も言ってくれるんですけど、やっぱ彼女からが一番嬉しいっていうか。めちゃくちゃほめてくれて(ふふっ)

― それはすごい原動力になるね!

だから稽古に行って、「またほめられたい!」って、一生懸命になれる。

― うん、いい動機じゃないですか。

それが頑張れる理由になります。

― それはいいね。メンバー?

メンバーです。

― 聞いちゃっていいのかな? だれ?(書いていいという許可をもらっています)

そだりあです。

― あ~、りあちゃんか~。りあちゃんなら書いていいって言ってくれそうだ。ふふっ。やっぱりやる気になれる動機になるものって、ほめてもらったりとか、だれかのために頑張れるとか。

一時期やめようと思ったこともあったんですけど、ただ去年から僕が決めている目標っていうか、があって、もともと不登校だったのに、やっぱり不登校の時はこんなになると思ってなかったから、悩んでいても頑張ればこんなになれるよ、っていう思いを伝えたいなって。

― そうなんだね。

最初はやっぱり抵抗ありましたけどね。不登校がいきなりこんなことしてて(笑)

― 同じメンバーの子で同じく不登校の子がいるみたいだけど、そういう経験のあるたいが君がいるから、その子も入れたと思うし、たいが君が自分の経験を話してくれて、一生懸命ヒメヒコで自分が変われたということを伝えてくれたから、その子もヒメヒコに入ったんだと思うのよね。

入って来てくれて、嬉しかったですもんね。おぉ、入って来てくれた!って。

― その子が前向きになってヒメヒコに入ろうと思えたのは、たいが君のおかげだね!

誰も思いませんよね。不登校の子が人の前で主役するとか(笑)

― ホント、すごいことだと思うよ~。

親にもびっくりされてたし(笑) 真逆になりました。今まで人と関わらなかったのに、めちゃくちゃ人と関わるようになりました(笑)

― (笑)自分も幸せになれるけど、周りも幸せになれるから。ね!そのたいが君の姿を先生たちにも早く見せたいね~。

今回は高校生も来れるといいんですけどね。

― 本当にそうだよね。この生の公演の大切さを今回つくづく思いました。

1年生入ってこないよ、やべぇ!みたいな。

― 生身でぶつけてる舞台に人は感動するから、本当に「観てもらう」って大事だよね。SNSとか動画とかでは、なかなか難しい。本物の舞台で熱意とかキラキラを見せるって、本当に大事なんだな~って。

そこにいないと聞こえないピアノの音とか、ベースのガーッとした響きとか。

― そうそう、あの空気というか振動とかね。今年度は、学生さん達、ホント来れるといいよね!

― あと、他に・・・乗り越えてきたこととか、仲間のこととか何かありますか?

先輩後輩の関係とかいろいろあるじゃないですか。で、相談とかあったりして、仲間意識は高くなったような気がしてて、後輩になんかしてあげたいな~と思ったりしますね。

― それは、教えてあげたりとか?相談に乗るとか?

例えば、だれか独りになっている時に気になって、こっちで練習してると、やばい!やばい!って気になって、けど(ごめんね)って思ってるとか。

― たいが君はそういうところ、気遣いかあるんだね~。気が付くし。

だれも独りにはさせたくないんですよね。

― みんな先輩になると、気持ちはあってもどうしていいか分からなかったり、壁があった時にどうしたらいいかとか悩むよね。

せいごとかが、僕の見れないところとか、俺が見るよ~とか言ってくれるんですよ。

― へ~、それ嬉しいね。前、創太くんと瞳真(とうま)くんがそういういいペアでね(第14回インタビューをご覧下さい)お互いに補い合って、見れないところをお互いに見て。

それ、僕は創太くんとしゃべってて、せいごは瞳真くんとしゃべってて(笑)

― そうだったんだ(笑)似たものペアだね。瞳真くんが、創太が表で僕は裏で、自分ができないところは創太が引っ張ってくれるし、創太ができないところは自分が補うとか言ってたもんね。今年は、たいが君とせいご君って、いいペアだね~。楽しみです!

― では、今目標とか努力していることがありますか?

・・・現時点で努力していることは、セリフで・・・やっぱ怖くて台本持っちゃうんですね。大丈夫かなって。それを見ないように、努力してますね。あと、役として関わる人とあまりしゃべれてないから、しゃべれるようにしたいな、と。

― なるほど。

目標は、今までのヒコを超える、というのと、やっぱり生の舞台で一緒にやったらその人が頭に残るじゃないですか。だから、やっぱり「丈さん」を超すことですかね~。今までの人たちのいいところを取って、今までのヒコの人たちの思いも入れながら、僕にガチャっと来る(ヒコを創り上げて)、今までの一番です!みたいなのをしてみたいです。

― いいね~。

カッコ良くないですか? 不登校から(ヒコとして)ガーンっていったら。

― ほんとそれすばらしい。

これ成功させたら、自慢できることだなって。

― ホント、ホント。そして、自分が幸せになれるだけじゃなくて、周りも幸せにできるという。特に同じような境遇の子たちの勇気というか、希望になれるよね。その家族の人とかも。

本番の1日目だったかな、使者の場面が終わって袖に入った時に、姉がわざわざ来てくれて、良かったよ~!!ってグータッチしてくれて、今年もされたいな~って思って。

― きっとまた来てくれるよ~ヒコだよ~。今年は他のみんなも来てくれそうだしね。
最後、終わった後のお見送り、あれもできたらいいんだけどね~。あれでまた、みんなが声をかけてくれて嬉しくなるのよね~。

お見送りの時で僕が一番覚えているのが、だいごさん(第10回インタビューをご覧下さい)。なぜか、一番覚えてるんです。だいごさんが主役だった時かな。何でですかね。輝いていたからかな。

― へ~。そうかもね。なんか、自分に迫ってくるものがあったんだろうね。そのオーラというか。

テレビ取材とかあったじゃないですか。あれ見て頑張ってるんだな~って思って。

― テレビのドキュメンタリー良かったよね♪ そう、みんな悩んだり落ち込んだりしながら、乗り越えて歴代のヒコ達もやってきたんだよね~。今年のヒコもすごい期待しているので(笑)、悩みつつも気持ちよく頑張ってほしいですね。

学生とか、中学卒業前に引き込みたいですよね。いい演技見せて、「あの人見て決めました」とか言ってもらいたい。

― そう、感動させてね。憧れてもらってね(笑)きっと思われるよ。

― では、公演に向けてのメッセージをお願いします。

やっぱり、部活とかみたいに辛いこととかあるかもしれないけど、比べるわけじゃないけど、部活とかよりもみんなと絆を深められるというか、仲間意識を強くできる、という感じで、自分も成長できるし、人間関係も学べるし、一番は「(自分が)変わります」。

― そう! それは、たいが君が一番よく分かっていることだよね。実証してるんだからね。

不登校とかでも頑張れば主役取れるぞ~、みたいな(笑)・・・待ってます!!(笑)

― たいが君みたいな優しい先輩がいるからこそ、入れるっていうのがあると思うのでね、たいが君という人間というか人格というか、貴重な存在だし。

今の2年生はめっちゃいい子ばっかりで、周りが見れる子ばっかりだから、来年入ろっかな~と思ってる子も、安心して入れるかなぁって思いますね。

― やっぱり入る時って、自分がそこでやって行けるか心配になるもんね。

どんな人いるのかな、って。今の2年生は鍛えられてるっていうか、太郎さんから言われたり先輩から言われたりして。今、後輩いないし、入ってきたら「大歓迎」されると思います(笑)

― (笑)そうだよね~。

めちゃくちゃ大歓迎されますよ。うらやましいって思いますよ。

― (笑)「安心して大歓迎してくれるヒメヒコですので、ぜひ入ってください」だね。自分の居場所を見つけられるし、卒業しても戻って来れるし。ヒメヒコはそれがすごいなって思います。
文化会館に来れば、知らない後輩達からも「あ、先輩!」って声かけられるわけじゃない?
それってすごいことだと思うのよね。で、ヒコだったら、未来のそのヒコに、さっとその場で、いろいろ教えてあげられるわけじゃない? すごいよね。卒業してもつながっている「結」。

僕も先輩たちと繋がっているし、せいごとか。卒業したら、先輩にもなれるし、友達にもなれるし。

― 何かあっても相談できる人がいるっていう。心分かる人にね。心強いよね。だからヒメヒコ入るってことは、本当に貴重な経験だと思います。・・・では、先輩頑張って!(笑)歴代のヒコを超えるヒコを。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

(余談)

― 今回、コロナのこともあって早めにインタビューしてて、いつもだったら冬合宿の後とかでみんなの思いというか熱量がかなり熱く濃いんだけど、早めは早めでこれからの成長を楽しみにできるね。

今が良かったですよ。話が止まんなくなっちゃうから(笑)

― (笑)そっか~。止まらない話も聞いてみたかったけどね~(笑)

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