特集

【第17回公演】インタビュー02 宮下倭摩(高3)

宮下倭摩
南大隅高校3年

☆役者魂炸裂!&歌うますぎる、見ごたえありの全3役、かずま!
ヒメヒコ歴:3年
趣味・特技:音楽を聴いたり歌ったり・「フランプール」が好き
幸せな時:ヒメヒコの稽古をしている時

― それでは、かずま君、よろしくお願いします。

お願いします。

― 3年目になりました。あっという間ですね~。みんなにそんなこと言うんだけど。この前入ったばっかりなのにねって。3年生になって、どうですか?なんか変わりましたか?

やっぱり今回初めて後輩ができたので、なんかしっかりしなきゃっていう気持ちももちろんあるんですけど、後輩かわいいなっていう気持ちがずっと強くて。すごいいい子たちなんで。かわいいな~って思います。でも先輩らしいことが全然できてないから、大丈夫なのかな?と思ってます。

― 仲良さそうで、いいですね。後輩が入ってきてくれて、本当に嬉しいよね。去年、危機だったもんね。1人入ったけど2年生だったし。

1年生が入ってこないっていうのが去年はあったんで、大丈夫かなみたいな。でも今年入ってきてくれて良かったなって。

― しかもみんな元気のいい子達って言うよ。

はい。めっちゃ元気です。

― 嬉しいことだよね。では、ちょっと最初に戻りますけど、(高校・学年・名前を聞いた後)ヒメヒコ歴は3年になりましたね。部活と両方かけ持ちしながら、よく続けて頑張ったよね。部活は楽しめましたか?

はい。すごい楽しかったです。

― それは良かったね。すごい楽しそうに話してたから(そして少し部活の話をしてから)
進学することになったの?

はい、進学になりました。

― どこに行くの?

「鹿児島キャリアデザイン専門学校」に行って音響のことを勉強しに行きます。

― 音響ね~。ヒメヒコでも(公演の時に音響さんが)いつも後ろでやってるよね。
さてヒメヒコの話に戻りますが・・・今年はそうだ。えっとカズヒコだっけ?そしてヒコもするんだよね?

はい。

― すごいね。カズヒコ(かずま君)の歌声が聴けるっていうのは、すごい嬉しいことですね♪

ありがとうございます。

― 今回役は狙ってましたか?

いや、普通に特段何か役を狙ってたとかはなくて、まあなんか今年も楽しくやれればいいなっていうか、まぁいいものを作れたらいいな、ぐらいの気持ちでやってました。

― オーディションはどうでしたか?

オーディションはまあ、自分のやれるだけのことをやりましたね。

― 第二章ということで、ストーリーも変わったし、登場人物も変わってびっくりしました。これ誰?みたいなね。

新しい台本になって、前例がないというか、お手本にするものがないから、すごくなんか、もちろんその台本読んで自分の思うようにはやってみるけれども、これでいいのかなみたいなところはやっぱり今でもありますし・・・なんか前例がないものをやるっていうのはすごい難しいなって思いますね。

― ふむふむ。そうですね。この前取材で来た時に、初めての場面を見て、なんかちょっとしたカルチャーショックみたいな感じで、なんて表現していいか分からないんだけど、初めてのものにふれるっていうね、ちょっとしたプチショックがあったんですよ。だから、初めてのものをそうやって人に見せるっていうことは、すごい大変なことなんだなって思いました。だから見てる側から見ても、今までと違うから「えーっ」ってなるわけじゃない。そこで納得したものを見せていかないといけないっていう。だから太郎さんは、本当に命がけって最初言ってたけど、ホントみんなもだからすごい大変なんだろうなって思いました。

やっぱり、こう初めてだからこそ、今までヒメヒコを見てくださってた方にとっても、本当に誰にとっても初めてのこの第二章なので、その一番最初を担うってなって、だから、もうこれはもう何がなんでも失敗はできないし、自分たちの今回の出来で、これからが決まっていくぐらいの気持ちでやらないとなって思ってて。

― そうそう。前見た人は今までのヒメヒコを知ってるから、あれあれ?って言ってる間に、そういう気持ちの中に入ってきて、感動を呼び起こさないといけないっていうのは、プレッシャーはすごいし、それなりのすごい努力が必要だなってね。かずま君がさっき言ってくれたみたいに、手探りの状況だよね。

手探りですね。

― 一応通しはしてみた?

通しっていうか、とりあえずシーンは全部やって、ここはこんな感じっていうのはある程度は決まってはいるんですけど、細かいところとか芝居のテンポとか、それこそ本当に、どのぐらいの時間でどうやるっていうのがそもそも前例がないからどうすればいいのかも、自分の中でのイメージもないから固まりづらいし、前はイメージがあったから、ここはこのぐらいのテンポでやろうって決められたんですけど、そういうのがないからすごく難しいというか、本当に手探りですね。

― 全てが新しいよね。

もちろん共通したシーンはいくつかありますけど、やっぱりそうじゃないところの方がずっと多いですし、これまでのヒメヒコが本当に通用しないというか、これまでの心構えだったらやっぱりまだダメっていうか、これまでのストーリーと違うから今までみたいなイメージじゃダメだし、演出に合ったというか、新しいものをしっかり自分の中でも作っていかないといけない、キャラクターを作っていかないといけないな、というのはすごく思ってますね。

― そうなんだよね~。台本を少し読んだんですけど、そのカズヒコとヒコっていう二人の役をしないといけないようですが、キャラは同じ感じなの? それとも全く別?

そうなんですよ。ホントにバツっと変わって全然違うんで・・・ヒコは前までと同じ勇敢な感じになるんですけど、カズヒコは、言葉を悪くすればへたれというか、なんか、なんだろうな~。自分からいろんなことをやろうとするタイプじゃないようなキャラクターなんで、そこの緩急というか、いかに違いを見せられるか、というのがやっぱり大事かなって。

― あ~、そういうことだよね。お客さんにそれがね、分かってもらえないとね。

自分たちは台本があるから知ってるけど、お客さんが見たときに変わってるというか、違いが分かるようにやっていかないといけないなって、すごいありあります。

― 考える演技をしないといけないというか・・・。へ~。あと2ヶ月だけど、だいたいそのキャラっていうのが、かずま君の中ではだいぶ出来上がってきてる感じ?

そうですね。固めてて、ここから先はどんどん磨いていくというか、そういう期間にしていこうかなと思いますね。

― あと、確かダブルキャストだよね。自分がカズヒコ・ヒコじゃない時、ノロ様もするんだよね? ノロ様もするってことは、3役を覚えないといけないってことだけど、ノロ様はどうなんでしょうかね? 

ノロ様に関しては、今までのキャラクター像もあるし、プラス自分の中でも実際にノロっていう役自体は現実に実在するわけなので、参考にするものとかをネットで調べれば出てくるし、そっちの方がイメージも固めやすくて、すごくやりやすいなとは思いますね。カズヒコとかに比べたら。もちろん、こうしようかな、ああしようかなって考えることはありますけど、本当に一から組み立てないといけないっていうわけではないのかなって感じますね。

― 前例があるからね。ま、かずま君演技力がすごいから。歌も上手くてね、歌は好きだと思うけど、演じるっていうことに関しては、どんなふうに思ってる?

全然嫌いじゃないというか、もちろん僕もそんな自分から表に出て何かやろうみたいな感じではないので、そんなに積極的ではないんですけど、やったらやっただけ楽しいな、みたいな。

― やってみるとね。

そうそう。自分から立候補するわけじゃないけど、やれって言われたらやるし、やったら楽しいし、みたいな感じですかね。

― かずま君で印象的なのは、一年生で入った時に使者の役になって、どうやったら前の使者を超えられるかっていうのをすごく考えてた練習の時がね。演技に対して、ものすごい真摯(しんし)に取り組んでいたというか。それが楽しそうだったけど。やっぱりそういう努力とかって、本当に現れるものだなって。一年生の時も二年生の時も。去年も、だってすごいキャラ作ってたでしょ?

そうですね。ふふふ。あれに関しては、自分の好き勝手にやってただけなんで(笑)

― あ、そうなの?(笑)

もちろんキャラクター・・・でも、そんなにしっかり決まってたわけでもなくて。なので、本当に邪魔しすぎない程度に自分のやりたいように演技をやった感じだったので、あれはあれですごく楽しかったですね。

― 上手くやってたよ! この前のやつもすごい使者の迫力とか、ボケるのも毎回面白いし、すごいなって思いました。

使者に関しては、やっぱり自分の中で一番印象に残ってるのが、自分のお姉ちゃん(ヒメヒコOG)の使者で、あれがすごく印象に残ってて、自分個人的にはあれには同じ方向性で挑んでも勝てないって思ったので、あれを超えるためには、やっぱりそうじゃない方向性でいかないといけないと思って、すごい考えてというか、頑張ってた記憶はあります。

― そうなんだね。

(前の人の同じキャラで)すごい印象があることに、引っ張られがちになっちゃうじゃないですか。それこそ、さっき前例がどうのって言いましたけど、それと一緒で、前例があるとその前例に寄せていきたくなっちゃうし、実際そのキャラクター像があるから実際に寄せていかないといけないんですけど、使者って別にしっかりしたもの、すごくしっかりしたキャラクター像が決まってるかと言われたら、年によって本当に多種多様な感じじゃないですか。なので、やっぱり前例を当てにしちゃいけないというか、もちろんその大事な部分なんかはありますけど、ヒコとちゃんと相まみえるシーンとかは大事ですけど、それ以外のところを、やっぱりいかに自分の色を出せるかがすごい大事なのかなって。それで使者はすごい頑張りましたね。

― すごい良かったもん! 私はお姉ちゃんの時の使者のインパクトがものすごく強くて、ドロンジョ様だったよね~(笑)本当にすごかったよね。でも、かずま君が、それを超えるってものすごく言ってたから、どんな使者にするかなって。だからかずま君らしい使者で、それもすごい良かったなと思って。だから、去年もその前の使者もインパクトありました。

すごい楽しかったですね。

― 楽しいのが一番だね~。それができるっていうのは、自分の中にちゃんとキャラを落とし込んでるからだよね~。今年新しいキャラが楽しみです。かずま君らしさがちゃんと出ると思うから。

上手くいくかなぁ。ふふ。

― 上手くいくよ~。

初めの一歩というか、初めのね~本当に最初の最初なんで、緊張・・・あんまり今までヒメヒコの公演の時とかも、さして緊張しなかったんですけど、どっちかっていうと楽しいなっていう気持ちが大きくて、今年は緊張しそうだなと思うんで。

― さすがにね~。

新しくストーリーが変わったから、違う心持ちでお客さんも見に来るでしょうし、新しく来る人ももちろんいるでしょうし、そういう人たち、いわゆる本当に何もストーリーがわかってないから完全に舞台の方に意識が行くじゃないですか。見てる側の人は。

― 食い入るように見るね。ふふふ。

だからそうなってくると、それを考えちゃうと緊張しそうだなと思って自分が。

― 大丈夫!かずま君なら。多分その頃には、楽しんでやっちゃうみたいになってるよ。

本当に本番前までは緊張がしたりするんですけど、本番になると吹っ切れないとやってられない(笑)

― そうそう。

緊張してたら全然できないから。吹っ切れないとやっぱりできないです。

― 始まるまでは、いろいろ考えちゃうからね~。でも、本番が来るとやるしかないから(笑)

そう、やるしかないですね。やっぱお客さんは、もちろん僕らが高校生だっていうことを分かってて観に来てくれるとは思うんですけど、僕的には、僕らが高校生であることを忘れてほしいなと思って。本当に世界の中に一緒に入り込んでもらって、そういうこととか全く気にせずに純粋に作品の世界観を楽しんでもらいたいなっていうのは、本当に今年に入ってからそう思ってて、やっぱり一般的な高校生と比較してどうこうという話ではなくて、普通に誰が見ても、すごいね、じゃないけど、高校生だとかそういう肩書は抜きにして、本当にすごいっていうか、一人の役者として見てもらえたらいいなと思いますね。

― 高校生なのにすごいねとか、結構言われるもんね。それも嬉しいけど、やっぱり一人の役者としてすごい舞台を見せてくれて、感動させてくれたっていうふうに思ってもらえたら、もっと嬉しいよね。

やっぱり、今までどうしてもいろんな人としゃべったりする時に、観てくれた人とかとしゃべったりとか、あと何か意見とか聞く時に、どうしても一番最初に「高校生なのに」とか「高校生だけど」みたいなフレーズがつくんですよ。でも、やっぱり自分的には、別にそこはどうでもいいから、普通に役者としてすごい舞台をして、すごくいいねっていうふうに言ってもらいたい。自分たちが高校生なんだっていうことは別に、忘れてほしいなってすごく思いますね。

― うん、うん。ホントに、ホントに。それは本当にありますよね。・・・お客さんね、忘れる人もいるよ。少なくとも私はそうだけど、キャストが高校生って忘れちゃうもんね。舞台がすごくて、え?違うよね?高校生じゃないよね?って。プロじゃないのって思うくらい。なんだろうね。ずっとヒメヒコを見てそういう風に感じてきて。だから、普通の高校生の演技だったらここまでできないね、とかそういう感じではなくて、その舞台そのものが本当に年齢とかね、その垣根を越えて役者としてすごいなって思うので、今回も本当にそれを忘れさせるくらいのものを期待しています。そうできるし、ヒメヒコはいつもそれぐらいの衝撃を与えてくれるからね。特に今回は初めてのストーリーになって、新たなる感動が生まれると思うので、すごい期待しています。

今回は作品の舞台自体が、というかモチーフが、いわゆる自分の地元の高隈での踊りなので、やっぱり思い入れがあるというか、思い出があるっていうか。当時高隈に住んでた頃は、踊りに対して特別な感情を抱えていたかと言われたらそうじゃないんですけど、全然そうじゃなくて、踊りはただの地元の参加しなきゃいけない行事みたいな。そういう、いわゆる郷土芸能じゃないですけど、そういう見方をしてなくて。でもやっぱりヒメヒコで棒踊りを取り上げるようになってから、そういえば確かにそうだねって、他の地域にはないだろうし、すごく特殊なことだと思うし、歴史もあるから、久々に高隈に帰った時とかに、今までなんとも思ってなかった景色がすごくいいな、という風情を感じるようになって、やっぱり物の見方って大事だなって。

― あ~、そうなんだね。変わるんだね。(郷土について)知ったり考えたりした時にそれを見ると、また違って見えるよね。

そうそう、そうそう。

― それはすごい変化だよね。なんて言うんだろう。そこがやっぱり太郎さんの一番伝えたいところでもあるんだよね。郷土芸能っていうものの偉大さじゃないけど、歴史の中にずっと連綿と残してきた人々の営みの芸術の部分でもあるし、伝統の部分でもあるし、その大切さというのかな、それについて、かずま君が言ったみたいに、もっと深く考えたり、関わることで、物の見方がね変わるという。やっぱり深みっていうのかな。歴史とか考えるとすごいじゃない。古代のことを考えたりするとね。そういうふうに物が違って見えてくるっていうのは、すごいよね。人間でしか成し得ないことだと思うし、そういうふうな感覚になれたっていうのはね、すごい。伝統芸能とは何かっていう、突き詰めた話になって、ずっと話をしていけば深い話になっていくけど・・・一回、かずま君とゆっくり話をしてみたいね。
かずま君がそうふうになったっていうのは、本当に郷土芸能って、高隈の歴史って何って、そこでかずま君が生まれて、育ったのは(育ったのかな?)何か意味があったりするかもしれないね。それを考えるのってすごい楽しいし、すごい深いね。

すごい楽しいですね。

― また詳しく教えてくださいね♪ それでは次で・・・今、趣味とか、好きなこととか何かありますか?

趣味は変わらず、音楽ですね。音楽が好きです。聴いたりするのも、歌ったりするのも好きですね。

― 今何聴いたりしてるの?マイブームは?

マイブームは何だろうなぁ。あえて、一つアーティストを挙げるとするならば、「フランプール」ですかね。

― あ、去年もそう言ってたような。

ずっとブームですね。

― 「フランプール」ずっと好きなんだね。

― じゃあ、ちょっと時間が押してるので、走っていきますけど、かずま君は、自分をどんな人だと思いますか、

どんな人? どんな人ね・・・何だろうな。う~ん、まあ、ドジっちゃドジですけど・・・

― (笑)

まあ、自分の好きなこととかには、一生懸命頑張るのかな。

― 努力家?

努力家と言われると、またそれもちょっと違いますね。まあでも、好きなことにはすごく熱中するって感じですね。

― 一生懸命、青春ですね。あとじゃあ、幸せな時は?

幸せな時・・・何だろうな~。まあ、でも最近は日々こうやって稽古してる時がすごい楽しいなぁって思いますね。

― もう今、没頭できるもんね。

ですね。没頭しないといけないですね(笑)

― (笑)そっか。もう、義務ですね。うふふふ。

うん。やっぱりやるのが楽しいですね。

― あとは・・・じゃあ公演に向けてのメッセージをお願いします。

はい。そうですね・・・新しい台本、新しい物語になって、僕らも分からないことだらけだし、やっぱりお客さんにとっても分からないっていうか、どんな物語になるのか楽しみにしてらっしゃる方々が、たくさんいらっしゃると思うので、そういう方々の期待をいい意味で裏切るというか、さらにイメージしてたのよりずっとずっと良かったって思ってもらいたいし、やっぱりさっきも言ったけど、高校生がやるってことを忘れて楽しんでもらいたいし、やっぱり僕もお姉ちゃんのヒメヒコを見て、ヒメヒコに入りたいなって思ったので、これから高校生になる子たちとか、今高校生の人たちに、こういう演劇やってみたいなって思ってもらえるような、そんな舞台にできたらいいなと思っています。

― はい、ありがとうございます。ほんと、やっぱり続いていってほしいもんね。

以外とやってみたらできたっていうのもあるので、僕も別に最初からこういうのが好きだったわけではなくて、やっぱり僕、中1の頃に「せごどんと大久保どん」舞台があったじゃないですか。あれに本当に無理矢理させられて、最初本当にやる気なかったんですけど、やっぱりすごく、もちろん台本とか音楽とかがすごく良かったっていうのもありますけど、やっぱりそこに入ったからこそ、だれかとものを創り上げる楽しさというか、舞台の上でやる楽しさもすごいし、そういうものを知れて、やっぱり自分で今まで何も興味もなくてやってみたことだったけど、やっぱりやってみたら、なんか楽しかったなみたいなこともある気がするので、これから高校生とかになる子たちにも、演劇に興味なくても、一回は観に来てほしいなと、ものはが試しって感じで。

― せごどんの話、一年生の時してくれてね。

しましたっけ?

― したのよ(笑)

しましたっけ? 覚えてねぇ!!(笑)

― (笑)それで無理矢理・・・っていうか連れて行かれて、なんか知らないけど、オーディションを受けて・・・

そうそう、そうそう。でしたでした。本当にびっくりしましたよ!

― で、後から、「あ、演劇するんだ」って分かったって(笑)

本当にそうだったんですよ。本当に知らなくて。なんか歌、歌うだけだからって。オーディションがいわゆる自己PRじゃないですけど、自分の得意なことを披露してくださいって感じだったので、本当に歌歌うだけだからって言われて、連れて行かれて、歌、歌って、で、なんか、気が付いたら、舞台やりませんか?って言われて、聞いてないんだけど、みたいな。

― (ずっと笑っている)面白いね~。

なんのこと?みたいな。びっっくりしましたね、ホントに。・・・懐かしいなぁ・・・当時本当に知らなかったんですけど、当時の音楽担当が田口和行さんっていう・・・

― あ~、田口さんね。

そう、田口さんの音楽を聴いた時に、すごいかっこいいと思って、そこでやる気が出たんですよね。だから一番最初のきっかけは、音楽で。

― そうだったんだ。

そう、かっこいいなって思って、何するかよくはわかんないけど、とりあえずやってみようみたいな感じでやっていったら、だんだん台本に入っていったりして、ものすごく面白いなっていうか、やっぱり誰かと絡む掛け合いとかも楽しいし、舞台に立つこと自体もすごく楽しいことだなって思って、そこで初めて気が付けたので、やってみるって大事です。

― そうだね~。案外、無理やりでもね、だまされてもね(笑) 結構男の子とかって、だまされて?見学に連れてこられたりとかあるよね。

本当にいつも同じような戦法でやってます。男子入れる時には。とりあえず来てみて!楽しいから!って。楽しいから、楽しいから、大丈夫だからって。また明日も来てねっていう、無言の圧をかけて、だんだんこっちに引き込んでいくっていうのをよくやりますよね。男子に対しては。

― (笑いが止まらない)

やっぱり男子が入らないんで、なかなかこういうのに興味がある男の子も少ないじゃないですか。結構、え?劇?俺、向いてないし、みたいな感じじゃないですか。実際僕もやってなかったら、そんな感じだったと思うので、やっぱりそういう子たちがね、本当に興味なくても楽しめるというか、すごいいいなと思ってもらえるものを、本当に今年創りたいなって思いますね。

― あとはね。やっぱり友達っていうか仲間? 仲間っていうやっぱり何か良さを感じるんだと思うんだよね。だから入ってみようかなって思えると思う。去年、2年生の男の子が一人だけ入って来たけどね、かずま君が見学の時、声をかけていろいろ説明してくれたりしてて、その子入ったもんね。その戦法を使ったかどうかは分からないけど(笑)。

その時はやっぱり同い年の男子がいなかったので、同い年の男子が入ってきてもくれるかもしれない。これを逃すわけにはいかないと思って、そこで何が何でも捕まえないとと思って(笑)

― たぶん、その友達とか仲間とか、そういう雰囲気の良さっていうのかな、こういう風にしてみんなとしたら楽しそうだなとか、絶対あると思うのよね。

で、また学校とは違う仲間だから。

― そうそう。それが、ヒメヒコのいいところだよね。

別に学校とか関係なく楽しめるっていうのは、すごくいいところだなと思いました。定期的に絆を深め合えるイベントもありまして、(笑)そろそろやってきますけど。寒いな!(←恒例の冬合宿のことです☆)

― (笑)寒いけどね、そこ耐えながらね。だいたい急に寒くなったからね~。

ですよ!なんか昨日まで暖かかったじゃないですか。今年の冬合宿はこのままいってくれれば、あんま寒くないんじゃないのかなと思ってたら、今日も一気に気温が下がって、終わったわと思いました。

― (爆笑)

1年目の時に水道管が凍っちゃって水が出なくて、それがきつかったので、今年はそれだけはねって。他はいいから、別に寒いのはいいから、とりあえず水道管だけは、水だけは出てほしいっていう。

― 汲みに行ったりしたんだよね。

ほんっと、きつかった。もう二度とやりたくないです。

― それ1年生の時だよね?

1年生の時です。1年目でそれに当たったので、「わぁぁぁ~・・・」と思って。

― 初のね。

過去一度もなかったらしい。びっくりでしたね。

― かずま君のために凍ったみたいなね(笑)

本当にありがた迷惑ですよ。

― (笑)今年もなるかな~。ふふふふ。

いや~、やめてほしいな~。本当にきついんですよ。水が出ないのは。

― (くすくす笑い)でも仲間がいるからね。乗り越えられるっていうのがあるよね。

合宿も寒いしきついですけど、でも仲間がいて、その子達と本当に真剣に話し合える場って、あんまなくて、やっぱり稽古があるから。稽古がない時間にじっくり話し合ったりとか、くだらない話でも全然そうですし、稽古に関することとかももちろん話し合えるからすごく仲良くなるけど、お互いのことをちゃんと知れるいい機会なのかなって。

― 本当に貴重な5日間。毎年みんなそれで変わるから。

やっぱりそこで本音を出し合ったりとかすることで、またその後の演技に対しての心構えみたいなのも変わるような気もしますしね。もちろん仲が良くなるからこそ、いろいろ言い合えるというか、今までちょっと距離を置きがちだった人とも、ちゃんとしゃべれるようになったりとかで、合宿はすごくいいなと思います。寒いことを除けば。

― (笑)でも、暖房はあるんだよね? あ、暖房は効かないのか。

いや、効いてはいるのかもしれないですけど、外気温が寒すぎて、すきま風で全然暖房の意味がない。床がめちゃくちゃ冷たいから。

― そうか(笑) もう3年目だから、いろいろ持っていくのもだいぶ分かってて。

でもあそこに物を持っていくと、煙に巻かれてとんでもないので、物を持っていこうにも持っていけない。もちろん持っていけば暖かいんだけど、その後は煙に巻かれてすごいことに。

― バーベキューの煙?

いや、普通に焚き火でご飯作ったりするので、でもその煙はほぼ四六時中焚いてるようなものなので。

― バンガローの中に、入ってくるわけね。

まあ、そのままバンガローの中に入ってくるんですけど、もはやバンガロー自体が煙臭いので。

― (笑)ふ~ん、楽しそうです♪

はい!今年も楽しみます♪ 寒いんですけど、楽しみますわ。

― 体調だけは気を付けてね。

体調崩すなら今なのかなと思って。

― そうでだよね(笑)間に合うように。

今崩しとかないと、逆に本番直前に崩すよりかはまし。

― インフルとかコロナがまだあるからね。

去年よりはリスクも下がりはしましたけど、まだまだ分からないですからね。

― 今のうちにかかっといてね。ありがとうございました。楽しそうで良かったです。かずま君が。公演をすごい楽しみにしてます♪

ありがとうございます。頑張ります。・・・頑張りますとしか言いようがない。やっぱり今だにあの舞台で、あれをやってる自分があんまり想像ができない。去年までは想像ができてたんですけど、なかなかやっぱり難しいですね。客として見るとしても知らないから、本当にどうなるんだろうなっていうのが一番ですね。

― 新しい発見があるかもね。やりながらね。どうなるんだろうと思いながら、あぁ、こうなるのかみたいな(笑)

自分たちで後から見返してみて、こうなるのかって。

― そうそう、それも楽しいよね。そういう楽しさもあるのかも。

すごいそれは新しい発見でもありますしね~。

― 大変だけど、でもワクワクしたり。

大変でもありますけど、やりきった後がすごく楽しいっていうか、やっと終わったって言い方はあれですけど、やりきったなっていう感じがするので。毎年なんだかんだで。そういう気持ちはあるし、でもきっと終わったら終わったで寂しくなるんだろうなって。

― それもあるよね。今年3年生だからね、またちょっと感情が違うかもね。

来年の後輩たちのためにも、自分たちが今年いいものを残してあげないとなって思いますし。

― そうだね。第二章、最初こうだったんだよって。

そうそう、そうそう。い~~!

― この17回目からこんなになったんだよって。そこ見るからね。

ほんと「い~~!」って感じですよ、ホントに。しばらくこの先数年は、これが基盤になって、これがこうだったんだよ、だから今年はこうしようねってなっていくわけじゃないですか。もうそれって・・・・そうなると思うと、本当に怖いというか、荷が重い・・・

― いやいやいやいや、光栄なことだから。

光栄なんですけどね。光栄なんですけど、すごい怖いなと思って。果たして未来ってどんな風に僕らのやつが語られるのかなって、そういうのを思いますね。

― その怖さもワクワクドキドキになるから楽しいよ♪ 思いっきり楽しんで練習もしてくださいね。

楽しみつつ、頑張りつつって感じですね。もう、やるっきゃないんで。

― はい、頑張ってください。応援してます! 

ありがとうございます。

― また時々取材もするので、またその姿を見せてくださいね。ありがとうございました。

ありがとうございました。

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